第二種電気工事士の難易度~合格率推移・勉強時間

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第二種電気工事士の難易度レベル!他の電気系資格との比較


国家資格と聞くと「数学が難しいのではないか」「文系には無理なのではないか」と身構えてしまう方が少なくありません。しかし、結論から申し上げますと、第二種電気工事士の難易度は国家資格全体の中で見れば「標準的(やや易しいレベル)」に分類されます。


理系出身者や工業高校の卒業生でなくても、文系出身者や電気の知識が完全にゼロの初学者が十分に独学で一発合格できるレベルに設定されています。


試験は「学科試験(一次試験に相当)」と「技能試験(実技・二次試験に相当)」の2つに分かれており、学科試験に合格した人だけが技能試験に進むことができます。それぞれの難易度感覚を詳しく解説します。


学科試験の難易度感

学科試験は四肢択一のマークシート方式(またはパソコン画面で選択するCBT方式)で行われます。出題される50問のうち「60点(30問正解)」を取れば合格となる絶対評価です。
問題の約8割は、器具や工具の写真を見て名称や用途を答える「知識・暗記問題」や、配線図の記号を読み解く問題です。文系出身者が苦手とする計算問題は全体の2割程度しか出題されず、しかも複雑な公式を必要としない基本的な計算が中心です。正しい勉強法を行えば、短期間で確実に合格ラインを突破できます。


技能試験の難易度感

技能試験はペーパーテストではなく、実際に工具を使って電線を切り、器具に結線して指定された回路を組み上げる実技テストです。試験時間は40分間です。
手先の器用さが必要と思われがちですが、事前に13問の候補問題が完全に公表されているため、事前の反復練習さえ怠らなければ誰でも合格レベルに到達できます。「知っているか・練習したか」がすべてであり、ひらめきやセンスは一切問われません。


他の電気系国家資格との難易度比較

難易度の位置づけをわかりやすくするため、関連する電気系国家資格との比較をまとめました。


【難易度の順番】

電験三種(第三種電気主任技術者) > 1級電気工事施工管理技士 > 第一種電気工事士 > 2級電気工事施工管理技士 > 第二種電気工事士


第二種電気工事士は、電気系国家資格における「最高のスタート地点」と言えます。上位資格である第一種電気工事士では高圧設備(キュービクルなど)の高度な知識と作業が必要になり、電験三種になると大学教養レベルの高等数学や過渡現象などの難解な理論が求められます。それらと比較すると、第二種電気工事士は日常生活に密着した低圧設備のみを扱うため、難易度は非常にマイルドです。


【最新データ】第二種電気工事士の合格率推移と傾向分析


第二種電気工事士の難易度を具体的に把握するために、近年の「学科試験」「技能試験」、そして「ストレート合格率」の推移を確認してみましょう。


近年、第二種電気工事士の試験は年に2回(上期・下期)実施されており、学科試験にはパソコンで受検する「CBT方式」が導入されたことで、より受験しやすい環境が整えられています。


直近の試験合格率推移データ


試験実施回・年度 学科試験合格率 技能試験合格率 ストレート合格率(推定)
令和3年度(2021年・上期) 58.6% 74.1% 約43.4%
令和3年度(2021年・下期) 55.3% 71.9% 約39.8%
令和4年度(2022年・上期) 61.7% 72.6% 約44.8%
令和4年度(2022年・下期) 56.0% 72.2% 約40.4%
令和5年度(2023年・上期) 59.8% 70.5% 約42.2%
令和5年度(2023年・下期) 57.1% 72.0% 約41.1%
令和6年度(2024年・上期) 62.3% 73.8% 約46.0%
令和6年度(2024年・下期) 58.9% 71.4% 約42.1%
令和7年度(2025年・上期) 60.5% 72.5% 約43.9%


推移データからわかる3つの重要ポイント


1. 学科試験の合格率は「約55%〜62%」で安定している

受検者の半数以上が合格できる試験です。他の国家資格(合格率10%前後の行政書士や宅建士など)と比べても合格率は非常に高く、真面目に過去問演習を行った人はほぼ確実に通過できる難易度です。


2. 技能試験の合格率は「約70%〜74%」と非常に高い

学科試験を突破した人の約7割以上が技能試験にも合格しています。実技テストだからといって過度に恐れる必要はありません。候補問題13問をしっかりと自分の手で練習しておけば、7割以上の確率で合格できる仕組みになっています。


3. ストレート合格率は「約40%〜45%」

学科試験と技能試験を一発で同時にクリアする「ストレート合格率」は、受検者全体の約4割(10人中4人以上)となります。国家資格の中でストレート合格率が4割を超えるものは大変珍しく、非常にコスパの良い資格と言えます。


さらに、仮に技能試験で落ちてしまった場合でも「学科試験免除制度」があります。次回(または翌年)の試験では学科試験が免除され、技能試験から直接再挑戦することができます。


第二種電気工事士合格に必要な勉強時間の目安


「合格するためには何時間の勉強が必要なのか?」は、受験を検討する上で最も気になるポイントです。


前提知識の有無によって必要な学習時間は異なりますが、標準的な勉強時間の目安は以下のようになります。


前提知識別の必要勉強時間目安


  • 完全初学者・文系出身者・DIY未経験者:50時間〜80時間
    電気の基礎概念やオームの法則の復習から始める必要があるため、学科対策に30〜50時間、技能対策に20〜30時間程度を見込むのが安全です。
  • 工業高校出身者・理系出身者・多少の電気知識がある方:30時間〜50時間
    学科の基本知識や回路図の読み方がすでに頭に入っているため、学科対策は15〜25時間程度で済みます。技能対策に15〜25時間集中させることで短期間合格が可能です。
  • 実務経験者・DIYで電気知識に親しんでいる方:20時間〜30時間
    学科の過去問演習を数回行い、技能の公表問題を一通り練習するだけで、合計20〜30時間程度で合格レベルに達します。


学科と技能の時間配分とスケジュール感

勉強時間全体の配分としては、「学科試験対策:6割」「技能試験対策:4割」を目安にするとバランスが良く進められます。


社会人が働きながら合格を目指す場合、1日の学習時間を「平日1時間、休日2時間」と設定すると、週に約9時間の学習時間が確保できます。トータル60時間の学習を行う場合、「約1.5ヶ月〜2ヶ月」の準備期間があれば、無理なく一発合格を狙うことができます。


【学科試験攻略】出題傾向と短期間で合格ライン(60点)を突破する勉強法


第二種電気工事士の学科試験は、満点を取る必要はありません。「100点中60点(50問中30問正解)」を取れば誰でも合格です。


効率よく短期間で合格ラインを突破するための出題傾向と具体的な勉強アプローチを解説します。


学科試験の出題ジャンルと配点傾向

学科試験は主に以下の7つのジャンルから出題されます。


  1. 電気に関する基礎理論(計算問題):約5問
  2. 配電理論および配線設計:約5問
  3. 電気機器・等・配線器具・材料・工具:約10問
  4. 電気工事の施工方法:約10問
  5. 一般用電気工作物の検査方法・測定器:約5問
  6. 配線図問題(屋内の平面図を読み解く):約10問
  7. 関係法令:約5問


文系・初心者向けの「割り切り戦略」

文系出身者や計算問題が苦手な人が最初にやるべきことは、「計算問題に時間を使いすぎない」ことです。


ジャンル1の「基礎理論」に出題される計算問題(合成抵抗や交流回路の計算など)は、全体のわずか5問程度(10点分)です。ここにつまずいて勉強が嫌になってしまうのが最大の失敗パターンです。


計算問題がどうしても理解できない場合は、公式を当てはめるだけの簡単な2〜3問だけを押さえ、残りは思い切って後回しにしてください。写真を見て器具や工具の名称を答える問題(ジャンル3・4)や、配線図の記号問題(ジャンル6)、法令問題(ジャンル7)などの「純粋な暗記問題」だけで全体の8割(40問以上)を占めています。


暗記分野を完璧に仕上げれば、計算問題を全滅させても余裕で合格ラインの60点を超えることができます。


CBT方式時代における最強の勉強法「過去問の反復周回」

近年の学科試験では、パソコンで受検する「CBT方式」が主流となっています。CBT方式では過去に出題された過去問のプールからランダムに問題が出題されるため、「過去問と全く同じ問題や類似問題」が非常に高い確率で出題されます。


そのため、分厚い参考書を1ページ目から熟読する勉強法はおすすめしません。


1. 薄めの要点テキストを2〜3日でサッと流し読みして全体像を掴む

2. すぐに「分野別過去問題集」に入り、問題を解く(最初から答えと解説を見る)

3. 分からない用語や器具の写真があればテキストやネットで検索して確認する

4. 過去問5〜10年分を最低「3周」反復する


過去問の正答率が85%〜90%を超える状態になれば、本番で落ちることはまずありません。


【技能試験攻略】施工制限時間と欠陥ゼロを達成する実技対策


学科試験を見事突破したら、最後の難関である「技能試験」です。


技能試験は、あらかじめ事前に公開されている「13問の候補問題」の中から、当日ランダムで1問が出題され、配られた電線や器具を使って、制限時間40分以内に完璧な作品を組み上げる実技テストです。


制限時間40分のシビアさと時間配分のコツ

40分という時間は、作業に慣れていない初学者にとっては驚くほどあっという間に過ぎ去ります。作業の手際が悪いと、途中で焦って重大な施工ミスを引き起こす原因になります。


推奨される黄金の時間配分は以下の通りです。


  • 最初の3分〜5分:配線図から「複線図」への書き換え作業
    施工ミス(誤配線)を防ぐため、問題用紙の余白に回路の複線図を正確に書き起こします。
  • 6分〜32分(約25分間):ケーブルの切断・被覆剥ぎ取り・器具への結線作業
    VVFストリッパーなどの指定工具を使い、適切な寸法でケーブルを処理し、ランプレセプタクルやスイッチ、コンセントなどの器具に結線します。
  • 33分〜37分(約5分間):リングスリーブ圧着・コネクタによる電線接続
    リングスリーブの刻印サイズ(極小・小・中など)を間違えないように注意し、電線同士を接続します。
  • 最後の3分間:完成品の全体点検と「欠陥チェック」
    ネジの締め忘れ、心線の露出オーバー、極性間違い(プラス・マイナス)、圧着マークの間違いがないか最終確認します。


「欠陥判断基準」の厳格さと欠陥ゼロの徹底

技能試験の採点は減点方式ではありません。「たった1箇所の欠陥(施工ミス)があれば、その時点で即不合格」という非常に厳格なルールで行われます。


欠陥の代表例としては以下のようなものがあります。


  • 電線の接続場所や極性(白・黒の電線指定)を間違えている「誤配線」
  • リングスリーブの圧着マーク(極小・小・中)の押し間違い
  • 器具のネジに挟んだ電線の心線が露出している(剥ぎ取り過ぎ)
  • ランプレセプタクルの「のの字曲げ」の巻き方向が逆(左巻きになっている)
  • 電線の芯線を傷つけて切断しかけている


これらの欠陥を出さない唯一の対策は、事前に公開されている13問の候補問題を、実際に自分の手で施工して練習することです。


専用の「練習用材料セット(電線・器具)」と「指定工具セット(VVFストリッパー付き)」を購入し、13問すべてを最低1回、できれば2回ずつ実際に時間を計って練習してください。13問を一度でも自分の手で組み上げた経験があれば、本番でどのような問題が出ても落ち着いて40分以内に完成させることができます。


第二種電気工事士に独学で一発合格するための学習ロードマップ


社会人が完全独学で第二種電気工事士に一発合格するための、標準的な2ヶ月間の学習ロードマップをまとめました。


【1ヶ月目】学科試験対策フェーズ(目標学習時間:30〜40時間)


◆1週目:テキスト通読と全体像の把握

薄手のカラーテキストをサッと流し読みし、器具や工具の名前、配線図記号の形をざっくりと覚えます。計算問題は雰囲気を掴む程度で深追いしません。


◆2〜3週目:過去問題集の反復周回(1〜2周目)

分野別過去問題集に入ります。最初は解けないのが当たり前なので、すぐに解説を読んで解き方を暗記します。暗記項目(器具写真、法令、施工方法)を中心に正答率を引き上げます。


◆4週目:過去問の3周目と直前模試・CBT本番

間違えた問題だけを集中的に解き直します。年度別の過去問をタイムアタックで解き、安定して70点以上が取れることを確認して学科試験本番(CBT方式または筆記方式)に臨みます。


【2ヶ月目】技能試験対策フェーズ(目標学習時間:20〜30時間)


◆5週目:工具・材料の準備と複線図のマスター

学科試験終了後(自己採点で合格を確認後)、すぐに「指定工具セット」と「技能練習用材料セット」を手配します。同時に、公表候補問題13問の複線図を3分以内で描けるように紙とペンで特訓します。


◆6〜7週目:候補問題13問の施工練習(1周目)

YouTubeなどの解説動画を参考にしながら、候補問題1問目から順に実際に手を動かして作成します。最初は時間を気にせず、テキストの欠陥判定基準と見比べながら正しく施工することに全集中します。


◆8週目:タイムアタックと弱点補強(2周目〜本番)

ストップウォッチで時間を計り、40分以内(目標30分以内)で完成させるタイムアタックを行います。特に自分が苦手な器具(ランプレセプタクルや3路スイッチなど)の施工を集中的に復習し、万全の状態で技能試験本番に挑みます。


まとめ:第二種電気工事士を取得して新たなキャリア・知識を手に入れよう


第二種電気工事士は、未経験からの転職やキャリアアップ、定年後の再雇用、さらには自宅のDIYまで、人生の様々な場面で大きなリターンをもたらしてくれる非常にコスパの高い国家資格です。


合格率は学科が約60%、技能が約70%、ストレート合格率も約40%超となっており、国家資格の中では決して高すぎるハードルではありません。高度な数学力や手先の特殊なセンスは一切不要であり、正しい過去問演習と13問の実技反復練習を行えば、文系出身者や完全初心者であっても独学で十分に一発合格を狙うことができます。


学習に必要な期間は1.5ヶ月〜2ヶ月(総学習時間50〜80時間程度)です。


「資格を取って新しい仕事に挑戦したい」「一生モノの手に職をつけたい」「自宅を自分の手でおしゃれにDIYしたい」と考えている方は、ぜひこの記事を参考に第一歩を踏み出してみてください。今日からの地道な準備が、数ヶ月後には「第二種電気工事士」という輝かしい一生モノのライセンスとなって結実することを、心より応援しています。

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